先日、Word講座を受講されているお一人からお話を伺いする中で、「これだけ生成AIが発展しているのであれば、Wordでポスターとかチラシとか作らなくてもAIが作ってくれるんじゃないですか？」とご質問がありました。

たしかに、生成AIの発展はめざましく、OpenAI社の【ChatGPT】は最新モデル【GPT-5】が今月7日にリリースされ、「従来のモデルと比較して、知能が飛躍的に向上し、コーディング、数学、資格認識のベンチマークが最高水準に達している」とも称されています。その他にも、Micorosoft社の【Copilot】、Google社の【Gemini】などにおいても高度な推論能力や大規模なデータ処理能力の向上が図られており、今や生成AIを抜きに業務を行うのが難しくすらなってきています。

そのため、受講生さんのご指摘の通り、生成AIでポスターやチラシなどの印刷物も簡単に作れるのではと思うはずです。しかしながら、まだ人が作成するほどの完全性は保証されておらず、作成したとしても人の手による修正が必須というのが現況です。言い換えれば、100点満点の生成は期待できないということです。

下の画像は生成AI【Copilot】で作成したポスターです。

色合いはテーマに合わせられ、文字情報も適切な分量で作成されており、どこもおかしな箇所は見当たりません。
これだけ見ればAIで事足りるのでは感じると思います。

次の画像は掲載する情報量を増やして作成したポスターです。

よく街中で見かけるゴミの分別についてのポスターです。
一見、標題は中央揃えで分かりやすく、イラストや箇条書きを駆使して情報がよく整理されていると感じます。
しかし、細部に目を向けると、随所に誤字や文字化けが確認できます。
なんとなく読める文字やかろうじて読み取れる文字もあれば、全くの暗号と化している文字も多々あります。

上のポスターであればまだしも、これではそのまま利用することはできません。
であるならば、次に文字化けを解消させられれば良いのではと感じると思います。

文字化けの原因の一つに日本語フォントが未対応ということが挙げられますので、
再度「日本語対応フォントで再構築して」とプロンプトを送ります。
そして、生成されたのが次の画像です。

たしかに、誤字が少なくなり、行間がすっきりしたため可読性は多少向上しました。
しかしながら、文字化けは完全に解消されず、結局暗号のままの箇所も残っています。

このことから、AIに完全に任せるのは今現在では難しいと言えます。
今後、技術の進展で可能になる日が来るかもしれませんが、少なくとも感受性や芸術性を伴う作業はまだ人の手が必要なのだと思います。
そのため、レイアウトの素案や下図の作成の際に活用するのが今現在は効果的と言えそうです。

ちなみに、もし生成AIでポスターやチラシなどの画像生成、作成を試みるのであれば以下の3点に留意しながら行ってみてください。
1.漢字を少なめにする
2.文字数を少なめにし、単語ベースで依頼する
3.何度かプロンプトを送り修正する